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PVS(Player Value Score)完全解説 — 従来サッカー指標との違いと算出ロジック

PVS(Player Value Score)は Footnote が独自に設計した選手価値スコアで、Achievement(実績・記録)50% + Coach(コーチ認証・評価)30% + Consistency(継続性)20% の重み付き合成として 0〜100 で表現される。従来の「得点 + アシスト」や「ELO」「Match Rating」のような単一次元の指標と異なり、ポジション特性(DFはクリーンシート、FWは得点貢献を重視)・コーチ認証の有無・継続記録という3軸を統合することで、ユース年代の選手を相対的に正当に評価できる設計である。本記事では PVS の正確な定義、算出ロジック、従来指標との違い、解釈方法を体系的に解説する。

PVS とは何か — 「実績 × 認証 × 継続」の3軸合成

PVS は Footnote 独自の選手価値スコアで、実績(試合データ)・コーチ認証・継続記録の3軸を統合した 0〜100 の総合指標である。Phase 1(動画なし)から Phase 3(フル動画解析)まで、データ可用性に応じて加重を変動させる設計。

サッカースタジアムの空撮 — データドリブンで選手価値を可視化する

Photo by Mark McNeill on Unsplash

PVS は Player Value Score の略で、「いまその選手はどの位置にいるか」を一つの数値で示すための指標である。サッカーは複合的な競技であり、単一の指標(得点数だけ、出場時間だけ)で選手を評価することは難しい。特にユース年代では、選手が出場機会や対戦相手の質に左右されやすく、絶対値ではなく相対指標が必要になる。

PVS は3つの構成要素を加重平均で統合する。Phase 1(動画データなしの段階)の式は次の通りである。

PVS_phase1 = Achievement × 0.50 + Coach × 0.30 + Consistency × 0.20

PVS の3軸レーダー図——Performance(実績)/Vision(コーチ)/Spirit(継続)の3角形。サンプル選手の80/65/75が赤い三角形で表示
PVS は 3 軸の合成。1 軸が極端に高くても他軸が低ければ総合スコアは伸びない設計。バランスの取れた 70/70/70 選手が、偏った 95/45/55 選手を上回る。

Achievement Score は試合データから導出される実績スコア、Coach Score はコーチ認証の有無と評価から導出されるスコア、Consistency Score は記録継続性のスコアである。それぞれが独立に 0〜100 のスケールに正規化されている。

なぜ「実績 × 認証 × 継続」の3軸なのか

  • 実績だけだと、強豪チームでベンチの選手より弱小チームでエース選手が高評価になる偏りが残る
  • コーチ認証だけだと、コーチがいない選手や偏った評価が排除される
  • 継続だけだと、ただ毎日記録するだけで価値が出てしまう
  • → 3軸を独立に測り、合成することで「強い」「認められている」「続けている」をすべて満たす選手だけが高 PVS に到達する

Achievement Score — 実績の自動加重

Achievement Score は出場貢献・得点/守備貢献・勝利貢献の合成で、ポジションによって自動的に重み付けが切り替わる。FW なら得点貢献、DF ならクリーンシートが重視される。

Achievement Score の式は次の通り(Phase 1):

Achievement = 出場貢献 × 0.40 + 実績自動加重スコア × 0.40 + 勝利貢献 × 0.20

「実績自動加重スコア」は選手のポジションに応じて以下のように自動計算される。直近3ヶ月の試合で、攻撃ポジション(FW/MF)と守備ポジション(DF/GK)の出場割合から、得点貢献とクリーンシートの重みを動的に決定する。

ポジション自動加重の例

  • FWメインの選手: attack_rate=0.9 → 得点貢献を 90%、クリーンシートを 10% で評価
  • DFメインの選手: defense_rate=0.85 → クリーンシートを 85%、得点貢献を 15% で評価
  • MF(攻守兼務): attack_rate=0.6, defense_rate=0.4 → 60:40 のバランス評価
  • ポジション未記録: 50/50 のフラット按分(若年期のポジション変遷に自動追従)

DFがスコアレスドロー(0-0)でも、クリーンシートスコアが高いため正当に評価される。「DFは得点・アシストで評価できない」問題を構造的に解決した設計。

Coach Score — コーチ認証と主観評価のバランス

Coach Score はコーチが試合記録を認証するかどうかと、その際の評価(良い/普通/要改善)の加重平均で決まる。コーチ未割当の場合は Achievement と Consistency に再配分されるため、コーチがいない選手も正当に評価される。

Coach Score の式(コーチ割当ありの場合):

Coach Score = 30 + (直近3ヶ月認証率 × 加重平均評価スコア × 70)

評価スコアのマッピングと、試合タイプ別の重み付けは以下の通り。

  • 評価スコア: 良い=1.00 / 普通=0.65 / 要改善=0.30 / 未入力=0.65(普通扱い)
  • 試合タイプ重み: 公式戦=2.0 / フレンドリー=1.0
  • ベース 30 点: コーチ割当ありで認証 0 件でも、組織所属の証明として最低ベースを保証

コーチが居ない選手はどう扱われるか

ユース年代では、選手にコーチが正式に割当てられていないケースが多い。Footnote はこの場合、Coach Score を N/A として、加重を Achievement 65% / Consistency 35% に再配分する。コーチの有無で不当に PVS が下がらない設計である。

コーチ認証は強力な信頼性ブースターだが、必須ではない。コーチがいなくても、データの強さと記録継続で正当に高 PVS に到達できる。

Consistency Score — 記録継続の証明

Consistency Score は記録の密度・連続性・長期性の3要素から計算される。「ただ毎日記録するだけで満点」にならず、長期的な継続が真の価値として現れるよう設計されている。

Consistency = 記録密度 × 0.50 + ストリーク係数 × 0.30 + 長期係数 × 0.20

  • 記録密度: 直近 90 日中の活動日数 / 60 (上限 1.0) × 100
  • ストリーク係数: 現在の連続記録日数 / 30 (上限 1.0) × 100
  • 長期係数: 初回記録からの月数 / 24 (上限 1.0) × 100

なぜ24ヶ月が上限か

長期係数の上限を 24 ヶ月(2学年分)に設定したのは、高校 1 年(15歳)開始 → 高校 3 年春(17歳)= スカウトが最も活発に動く時期にちょうど満点に到達する設計のためである。18 ヶ月では高校 2 年中盤(16.5歳)で天井に当たり、スカウトが本格的に動く前に頭打ちになってしまう。

従来指標との違い — 「単一指標」からの脱却

従来のサッカー評価指標(Match Rating、ELO、得点/アシスト、出場時間)は、それぞれ単一次元または特定文脈に偏っており、ユース年代を網羅的に評価できない。PVS はこれらの欠点を補う設計である。

観客で埋まるスタジアム — サッカー評価指標は試合の文脈をすべて捉える必要がある

Photo by Krzysztof Dubiel on Unsplash

比較表: PVS vs 従来指標

代表的なサッカー評価指標と PVS の特性を比較する。

  • 得点 + アシスト: 攻撃選手のみ評価可能、DF/GK は不当に低評価。ユース年代の継続性を測れない
  • Match Rating(SofaScore等): プロ試合のみ提供、ユース未対応。ポジション補正が不透明
  • ELO レーティング: チーム単位の相対指標で、個人のパフォーマンスを表さない
  • 出場時間: 量を測れるが質を測れない
  • PVS: 上記すべての欠点を補う3軸合成。コーチ未割当でも算出可、ポジション自動補正、継続性評価込み

サッカー偏差値との関係

Footnote は PVS をベースに「サッカー偏差値」も算出する。式は (PVS - 同学年同ポジション平均) ÷ 標準偏差 × 10 + 50 で、統計的な相対位置を可視化する。表示帯は次の通り:

  • 40 未満: 発展途上
  • 40-50: 平均
  • 50-60: 上位
  • 60-70: 強豪校・アカデミーレベル
  • 70 以上: 全国トップクラス

PVS の解釈 — スコアをどう読むか

PVS の絶対値だけでなく、変化率・分布・コンポーネント別の見方が重要である。1 ヶ月で 5 ポイント上がるのは大きな伸びであり、特定コンポーネントの低下はトレーニング方針の改善ヒントになる。

✅ 推奨される見方

  • 現在の PVS を見て一喜一憂しない: 絶対値より変化率(成長加速度)を優先
  • コンポーネント別に分解する: Achievement が高いが Consistency が低い → 試合は出ているが継続記録が弱い
  • サッカー偏差値で同学年比較: 50 が平均値。50 を超えていれば上位にいる
  • 3 ヶ月単位で見る: 月次の変動はノイズが大きい。3 ヶ月平均で傾向を見る

❌ 避けるべき解釈

  • PVS を「実力の絶対値」と誤解する: 同学年比較・コンポーネント分解で初めて意味を持つ
  • 短期の上下に過剰反応する: 1 試合の結果で 2-3 ポイント動くのは正常
  • 他選手と PVS だけで比較する: ポジション・年代・成熟度を踏まえないと不当

Phase 2 / Phase 3 への進化

PVS は動画データの可用性に応じて Phase 2(AI定性解析)/ Phase 3(CV による定量計測)へと拡張される。動画コンポーネントが加わるほど精度が増し、コーチ認証への依存度が下がっていく。

PVS の加重はフェーズによって変動する。

  • Phase 1(動画なし): 実績 50% / コーチ 30% / 継続 20%
  • Phase 2(定性AI): 実績 35% / コーチ 25% / AI定性 25% / 継続 15%
  • Phase 3(定量CV): 実績 20% / コーチ 25% / AI定量 45% / 継続 10%

動画解析が入ると、スプリント速度・パスマップ・ヒートマップなどの客観指標が PVS に組み込まれ、コーチ認証や自己評価の主観依存度が下がる。これによりプロスカウトが信頼できる水準に到達する。

参考文献

  1. [1] Footnote Editorial Team (2026). “Footnote 設計書 §10.13: PVS 設計 Footnote 内部資料.
  2. [2] Vestberg, T., Gustafson, R., Maurex, L., Ingvar, M., & Petrovic, P. (2012). “Executive Functions Predict the Success of Top-Soccer Players PLoS ONE. Link

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最終更新: 2026-05-08Footnote編集部